アンドロイドが人間のオーケストラ伴奏で歌う、渋谷慶一郎の新作モノ・オペラ
『Scary Beauty(スケアリー・ビューティ)』世界初演が決定!

AIを搭載したヒューマノイド・アンドロイド「Alter 2(オルター2)」が人間のオーケストラを指揮し、それを伴奏に自ら歌う。
演奏に際した音楽全体のテンポや強弱はアンドロイドが自律的に決定し、人間はただただそれについていくことしかできない。
これは宿命的に加速する「自らが生み出したテクノロジーに従属することでしか生きていけない人間」の縮図をみせるモノオペラ/ショー/作品/であり、最後の音楽と言えるかもしれない。

作曲とピアノは渋谷慶一郎が担当するが、実際の演奏に際する人間の想像を超えた急激なテンポや強弱の変化、それに伴う歌唱表現の極度な振れ幅は全てアンドロイドが自ら決定し、作曲された音楽作品の新たな可能性を引き出す場合もあれば、破壊する可能性も孕みつつ音楽は進む。 また、オルター2の声はコンピュータでリアルタイムに生成、極度に変型され、声に含まれたノイズの増減や極端な跳躍音程、複雑なリズムなど人間の歌手では不可能な領域にまでその表現は及ぶ。
世界的なロボット学者である石黒浩氏(大阪大学教授)の集大成とも言えるヒューマノイド・アンドロイド「オルター2」に同じく世界的な人工生命の研究者である池上高志氏(東京大学教授)によるAIの自律的運動プログラムが搭載されたとき、このプロジェクトは始動した。

現在のロボット、AIと人工生命を代表する石黒、池上という二人の際立った知性と渋谷の音楽、30人に及ぶ人間のオーケストラが拮抗することで音楽と我々=人間の関係は振幅し揺れ動き、更新されるだろう。 アンドロイドによって歌われるテクストは現代フランスを代表する作家であるミッシェル・ウェルベックによる奇妙なラブソング、三島由紀夫の自決直前に書かれた遺作、ウィリアム・バロウズのカットアップをディープラーニングでさらに切り刻んだテクストリーディング、 そして今回初演となる最新作として空海の思想の中枢である「即身成仏儀」の英訳、といった極めて危うく鋭い知性、言説の抜粋から成っている。
いわば「人類最後の7つの言葉」をアンドロイドが歌うことで逆説的に恐怖と感動が入り混じった「新たな感情」が生成され人間とアンドロイドは相互に大きく揺さぶられることになるだろう。 プロジェクトネームは「Scary Beaty(=奇妙な、不気味な美しさ)」と名付けられている。

Scary Beauty in 東京

日時:後日発表
会場:後日発表



Scary Beauty
http://scarybeauty.com

Performer

Alter2 (オルター2)

「人間らしい見かけだけが、人間らしさを表現する方法か」  “生命らしさ”を持つという機械人間「オルター2」(Alter2)。動きの複雑さによって人間らしさを表現することに挑戦したアンドロイド。皮膚に相当する部分を最小限にし、機械がむき出しとなっている。

制作は、大阪大学。システムを共同研究開発したのは、東京大学大学院総合文化研究科の池上高志教授と学生の土井樹、大阪大学大学院基礎工学研究科の石黒浩教授と助教の小川浩平の4人。主な役割分担としては、ロボット作りを担当する大阪大学では小川がアンドロイドを制御するツールを開発し、人間らしさの制御を担う東京大学では土井が動きや音をメインに担当した。

渋谷慶一郎 (シブヤケイイチロウ)

音楽家。1973年生まれ。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。

2002年に音楽レーベルATAKを設立、国内外の先鋭的な電子音楽作品をリリースする。代表作にピアノソロ・アルバム『ATAK015 for maria』『ATAK020 THE END』、パリ・シャトレ座でのソロコンサートを収録した『ATAK022 Live in Paris』など。また、映画「はじまりの記憶 杉本博司」、ドラマ「TBSドラマSPEC」など数多くの映画・TVドラマ・CMの音楽も担当。2012年には、初音ミク主演による世界初の映像とコンピュータ音響による人間不在のボーカロイド・オペラ「THE END」をYCAMで発表。同作品は、その後、東京、パリ、アムステルダム、ハンブルグ、オーフスで公演が行われ、現在も世界中から上演要請を受けている。2016年にはサティ、ピカソ、コクトーのコラボレーション作品「Parade(パラード)」のリメイク「Parade for The End of The World」をパリで発表。2017年にはパリ・オペラ座でパリ・オペラ座・エトワール、ジェレミー・ベランガールとビデオ・アーティストチームのエイドリアンM & クレアBとのコラボレーションによる「Scary Beauty」のダンスバージョンを発表。最新作はアンドロイドとオーケストラによるモノオペラ「Scary Beauty」で今年9月に初演が決定、その後は世界巡回が予定されている。

これまでに複雑系研究者の池上高志、ロボット学者の石黒浩、アーティストの杉本博司、パリ・オペラ座・エトワールのジェレミー・ベランガール、ルイヴィトンやピガール、エルメネジルド・ゼニアといったファッションブランドと横断的なコラボレーションを行う。現在は東京とパリを拠点に活動を展開している。

Scientist

石黒浩

人間酷似型ロボット研究の第一人者。工学博士。

1963(昭和38)年、滋賀県生れ。ロボット工学者。大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻・特別教授、ATR石黒浩特別研究所客員所長&ATRフェロー。知能ロボットと知覚情報基盤の研究開発を行い、次世代の情報・ロボット基盤の実現をめざす。人間酷似型ロボット研究の第一人者。2007(平成19)年、英Synectics社の「世界の100人の生きている天才」で日本人最高位の26位に選ばれる。2011年、大阪文化賞受賞。

池上高志

人間酷似型ロボット研究の第一人者。

複雑系と人工生命を研究テーマとし、ダイナミクスからみた生命理論の構築を目指している。国際ジャーナル「BioSystems」「ArtificialLife」「Adaptive Behavior」などの編集をおこなっている。また、複雑系・人工生命の研究のかたわら、渋谷慶一郎、evala、新津保健秀らとのアート活動も行っている。

小川浩平

2010年公立はこだて未来大学大学院博士後期課程修了。博士(システム情報科学)。2008年からATR知能ロボティクス研究所研究員。2012年より現職。

土井樹

音楽家、研究者。

1989年、兵庫県生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程。 群れの集団運動やArtificial Lifeなどのテーマで研究をするとともに、アート/音楽作品の発表を行っている。 主な音楽作品に『Uonotayu』(2010)、『The Sounds I couldn’t Hear』(2014)、『S』(2016)。また、インスタレーション、展示のサウンド・デザイン/プログラミングも手がけており、主な近作には『Jens|PREVIEW 17SS』音楽、『Rhizomatiks Research x ELEVENPLAY:border』データ解析、『機会人間Alter』音楽/ソフトウェアプログラムなどがある。

Technical Artist

藤本隆行

Kinsei R&Dディレクター・照明デザイナー

dumb typeのメンバーとして、主に照明とテクニカル・マネージメントを担当。21世紀に入り、Kinsei R&Dを設立し、LED照明を使った舞台作品の制作を開始。近作としては、白井剛との共作「Node/砂漠の老人」、Jung Young dooとの「赤を見る/Seeing Red」、Monochrome Circusと作った「T/IT: 不寛容について」、また、おおたか静流との展覧会「くらやみ美術館」がある。その他にも、国内外のアーティストとのコラボレーションを活発に行い、2010年からは大阪の山本能楽堂にて、古典能の演目にLEDで照明を付ける試みも始めている。

Credit

渋谷慶一郎 : コンセプト、作曲、ディレクション、指揮、ピアノ
Alter 2 (Developed in Osaka University) : ソロ・ヴォーカル
Australian Art Orchestra:オーケストラ演奏

[アンドロイド開発、共同研究]
石黒浩(アンドロイド制作、制御)、池上高志(アンドロイド制御、制御)、小川浩平(アンドロイド制作)、土井樹(アンドロイド制御)

[照明]
藤本隆行

[音響]
金森祥之

[舞台監督]
尾崎聡

[プロデュース]
小川滋

[スタッフ]
神田圭美(制作)、中村桃子(プロダクションマネージメント)

[特別協力]
日本科学未来館

[協力]
株式会社イノベーター・ジャパン、Steinberg DORICO、YAMAHA Music Japan co.,Ltd.、株式会社オレンジ、ジュスティーヌ・エマール、宮田大地、鈴木理

past performance

2017.09.30 Adelaide

contact

株式会社イノベーター・ジャパン: scarybeauty@innovator.jp.net